保育士の需要は増!
求められるのは
専門的なスキル
いずれ飛騨で保育の仕事に就きたいのですが、特に地方は子供が少ないと聞きます。私のやりたい仕事は都会でないとできないのでしょうか?飛騨に帰って来たいのに~! 井戸坂
市長:
少子化のニュースを耳にすると、子供に関わる仕事がなくなるのかも…と想像するよね。でもここで断言します!保育の仕事はこれからもっと必要とされるし、飛騨市でも絶対に需要はある!
なぜかというと、今後はどの業界でも人手不足となり、女性がフルタイムで働くこと・子供をゼロ歳から預けて働くことが当たりになるから。保育園の数が足りない「待機児童問題」は都会の話と思うかもしれないけど、実はこの飛騨市でも保育園が不足気味になるくらい、子供を預けて働きたい家庭は増えているんだ。
また、現在の保育士の平均年齢は高めなので、退職の時期も重なる。すると子供が減るのと同じく、保育士の数も減るよね。でも保育を必要とする人がゼロになることはないから、保育士は常に求められる存在だよ。
ただ、時代の変化とともに求められる保育士像は変わるかもしれないね。教育の現場でも様々な個性や背景を尊重した生き方…つまり「多様性を認めること」が主流になりつつあるから、例えば発達障がいの子やアレルギーのある子の保育について専門的な知識を持つなど、よりプロフェッショナルな知識・経験が必要になるんじゃないかな。保育の仕事に限らずどんな職種を目指す人も、これからの時代に合わせた働き方を意識すると良いと思うよ。
ぜひ飛騨で、素敵な保育士になってね!
飛騨から流行が
生まれるかも!?
インターネット社会が
可能にする
HIDA to WORLD
僕は小さな頃から近所の人に声をかけてもらえるのが嬉しくて、地元の人を守りたいという気持ちから警察官を目指しています。僕のように地元に残る友達もいますが、一方で自分の求めるものは都会にしかないと地元を出る友達も多いです。都会と田舎、そんなに違いますか? 直野
市長:
都会の高校生に「親、親戚、学校や塾の先生以外で知っている大人はいる?」と質問すると、答えが返って来ないことが多いんです。でも飛騨市の高校生からは「隣の家のおじちゃん」とか「家の近くの店のおばちゃん」とか、みんな何かしら返してくれる。これは大きな違いだね。
都会では隣の家の人の顔すら知らない。だからコミュニケーションは田舎の方が発展していると言えるのかな。人との距離が近いと厄介に思うこともあるかもしれないけど、そこから生まれる面白さやありがたさも知っている。この経験が若いうちからできるのは素晴らしいことだよ。
また、デザインやファッション、WEB、音楽、エンタテイメントなどの仕事は都会でなければできないと思っている人が多いけど、インターネットがこれだけ発達した今は地方から流行を発信している人もたくさんいる。みんなも、世界中からの情報をYouTubeやインスタグラムで見ているよね?
今はもう「地方でできないこと」はないんじゃないかな。むしろ「地方だからできること」を考えてみるのも面白いと思うよ。
実際、飛騨市にもカッコいいクリエイターやおもしろくて自由な働き方を実現している大人がいる。
…そうだ、そういう大人と高校生が話す機会を作ってみようかなあ?…こうやって、僕ら大人も高校生のみんなからヒントをもらえるから、年齢を超えたコミュニケーションは大切だよね。都会ではできないことかもね(笑)
田舎と都会のギャップは良い意味で無くなりつつあり、むしろ田舎でしかできないことに価値がある!という価値観が主流になるんじゃないかな。
最先端医療は
地方から広がる?
好きなこと、
得意なことを
仕事にしよう!
私は看護師を目指していますが、これから人口が減ると看護師の需要もなくなるのでしょうか?地元では働けなくなりますか?時代の変化で、今ある職業や働き方が大きく変わると思うと色々不安です…。 森田
市長:
人口が減るからといって医療を提供する人の需要はなくならないよ!安心してね。
ただ、平均寿命はますます伸びるから、「病院」の存在意義は変わるかもしれないね。今は「病院=病気を治す場所」というイメージかもしれないけど、これからの超高齢化社会では緊急救命センターのある大型病院は減り、「病院=余生を過ごす場所」となるんじゃないかな。さらに、在宅での医療や看護を必要とする人も増えるから、在宅看護・介護を支援する医療従事者も今以上に必要になるね。この動きや変化は都会・田舎関係なく日本全体が迎えるものだけど、高齢者の割合が多い飛騨のような地方にはより早く時代の波が訪れると思うよ。
そう考えると、「新時代の看護師の仕事」はこれまでと少し違うかもしれないね。例えば患者さんとだけでなく、ご家族との関わり方も重要になってくるとか…。「最先端医療」というと技術的なことを想像しがちだけど、人の暮らしや時代の変化に寄り添った医療の提供も「最先端」じゃないかな。だからこれからは、地方から最先端医療が広がって行くとも言えるね。
さらに、先ほどの保育士の話題にもあったように、これからは職種を問わずよりきめ細かいサービスや専門的な知識・経験が求められるよ。だからこれまでの常識で未来を考えるのではなく、全く新しい時代、未来が来ると思ってほしいな。不安になる必要はないよ!
「自分の好きなこと・得意なこと・やりたいこと」を、都会・田舎関係なく実現することができる世の中になるのだから!
知ってる?
飛騨にある
世界最先端技術
「こんな地域にしてほしい!」という要望は、誰に言うといいですか?面白い場所や仕事があったら、みんな飛騨に残りたくなると思います! 北平
市長:
地域に関する相談や要望は市役所で受け付けています。そういったご意見をいただけることは本当にありがたいので、どんどん言ってくださいね!行政では、魅力的な街を作るためにはまず今の街をもっと知る必要があると思い、色々な場所を見学したり、あらゆる立場の人から意見を聞いたりしているよ。
例えば神岡鉱山。現在は鉱石の発掘をしていないから寂れていると思っている人が多いのだけど、実はあの場所は、日本で1、2を争う使用済みバッテリーのリサイクル施設なんだ。日本中の車のバッテリーが集まり、そこから希少な金属を取り出しているんだけど、これはすごい技術力がないとできないこと。日本が目指す姿でもある「循環型社会」を実現している最先端の施設でもあるんだよ。そんな場所が飛騨にあること、みんなは知っていたかな?
もうひとつ。飛騨の林業もすごいよ~!僕は森林組合を見学をする前、林業に対して「斧を持って一本ずつ木を切り倒し、えっさほいさと運ぶ」という原始的なイメージを持っていたんだ。でも実際は、大きなアームを持つロボットが森の中を動き、木をぎゅっと掴み一気に引き抜く!さらに別の機械ではすごい速さで皮を剥く!さっきまで土から生えていた木がトラックに乗るまで、わずか数分!実は森林事業に関してはドイツが先進国なので、森林組合の職員もドイツに行き徹底的な研修を受けているんだ。だから世界的な最新技術を飛騨でも発揮できる、これを知ってとても驚いたよ!
こんな風に、飛騨には世界に誇れる技術はもちろん、「面白い場所や仕事」が実はたくさんあるんだ。新しい場所を作ることも大切だけど、今ある場所の良さも知ってもらえたらいいなと思うよ。そのためには行政や学校が「飛騨の面白い場所や仕事」をみんなに知ってもらうための工夫をしないといけないね。
みんなが働きたくなる・暮らしたくなる街になるよう、僕も頑張ります!