「働く」ってどんなイメージ?
山口 興味があることを仕事にしないと、続かないと思います。
酒井 僕が目指している教員は、部活などもあり大変だと思うけど、「これがやりたいから教員をやる!」という何かを持てるといいと思っています。
北野 楽しいと思えることが大事だと思います。
都竹市長 なるほど。親御さんを見たりして、働くようになったらどんな生活になるのかイメージしたことはある?
山口 父が県職員なんですが、仕事中心でスケジュールが埋まっていくように感じます。
酒井 両親とも帰りが遅くなることがありました。忙しいイメージですね。
北野 うちは自営業で仕事場が近いので、食事は一緒にできることが多かったです。
都竹市長 僕の家も自営業で自転車屋をやっていたので、親が働く姿を見ながら育ったんだよね。みんなは、親御さんが何をしてお金を稼いでいるのか、具体的に知っているかな?
山口 うちは父が単身赴任で、正直よく知らないですね…
酒井 母の職場について行ったことはあるんですが、父の働く姿は見たことがないです。
北野 僕は小さい頃はときどき仕事場について行ったことがありました。
都竹市長 親御さん以外では、大人の働く姿を見る機会はある?
山口 職場体験では薬局に行きましたが、普段はないですね。
酒井 通学中に駅員さんの仕事を眺めることはあります。
都竹市長 大人が働く姿を見られる機会は少なくなったのかもしれないね。昔は自営業が多くて身近だったけど。
どんな大人になりたいですか?
山口 自力で生きられる大人になりたいです。最低限自分のことは出来るように!
酒井 挨拶とか、当たり前のことが出来る人になりたいですね。
北野 楽しく生きられる大人になりたいです。仕事ばかりじゃなく、好きなことも両立できるような。
都竹市長 ワーク・ライフ・バランスは大事だね。ちなみにみんなの好きなことは?
山口 昔からイラストを描くのが好きです。
酒井 その時々で、本を読みたいとか、やりたい! と思ったことを出来るようにしたいです。
北野 音楽やゲームが好きなので、そういう時間もとれる生活がしたいです。
趣味の話題が出ましたが、それって飛騨でも実現できること?
山口 イラストはSNSに載せたりもできるので、場所は関係ないです。
北野 ゲームもどこにいても出来ますね。
今の高校生は都会でなくても、好きなことは出来ると感じているようです。働く以外のプライベートの充実も含めて、飛驒で暮らすということについて、都竹市長のお考えは?
都竹市長 「都市部の方が楽しい」という流れは長年あったんです。仕事だけでなく、ライフスタイル全般でね。学生さんと話して「市長さん、駅前にショッピングモールを作って!」なんて言われたことも(笑)でも今、どんどん都市部との差が無くなってきている。ネットショッピングもあるし、映画も自宅で観られるでしょう?
娯楽も仕事も同じように出来るとしたら、都市部と地元どちらがいいのか?
都竹市長 「田舎でゆったり暮らしたいな」「地元のために役に立つぞ」という思いは、飛驒でこそ叶えられることだよね。もちろん「競争の激しい都会で勝負したい!」というのもありで、どちらにしても「働くイメージ」を持つことが大事。だから今進めている「飛驒市学園構想」では、保育園児から高校生までを対象として、地元で働く大人の姿に触れてもらいたいと思っています。そもそも働くことって、必ず人の役に立つでしょう? その仕事が誰のためになっているのか? 地域の中で学びながら「課題解決能力」をつけて欲しいという思いで取り組んでいます。
酒井 確かに、この勉強は何の役に立つんだろう? と思うこともあるけど、いろんな仕事を知っていけたら学ぶ意味もはっきりすると思います!
山口 わたしは親とは違う道に進むので、この先真っ暗〜! と不安になることもあります。イメージが持てるとありがたいです。
北野 外のことには興味を惹かれるんですが、地元にも働く人はいるのにあまり目が行っていなかったかもしれません。
都竹市長 そういうもんだと思いますよ。この先真っ暗なんてことはないから大丈夫(笑)昔と違って仕事を変えることも珍しくないし、同じ職場でも技術が進んだりと変化していくので、自分の可能性を限定しなくてもいいんじゃないかな? 学生生活でも仕事でも「興味をもつ」ことを大事にして、自分の力にして欲しいですね。
その他、都竹市長に言いたいことをどうぞ
山口 バスがもっとあったらいいなと思います(特に古川駅より先!)
都竹市長 そうなんだよね。使う人が少ないとバスの本数は減ってしまうし、運転手も人手不足。でもね、これからは全部がそうなっていきます。人が少ない中でどうやっていくかを考えていく時代になるよ。そのうち、その困りごとを解決するビジネスが出てくるかもしれない。余暇のある人が自家用車で送迎出来るようになるとかね。商売になるからだけでなく、困っている人を助けて喜ばれる、これは面白いよ! 世の中の問題に興味がないと知恵は出てこないから、気がつく力を保育園の頃から身につけようよ! ということも「飛騨市学園構想」でやりたいことなんです。
最後に市長さんから高校生へエール!
都竹市長 考えるクセをつけると、別の情報とピタッ! っとくっつく瞬間が出てきます。この知恵はあの困りごとを解決するんじゃないか?という風にね。市長の仕事でも、そういうことをしている。頭の隅に置いておくだけでもいいんです。「問題意識を持って生活する」これをやっていくと大袈裟でなく、人生が変わります。ぜひ「自分で考える力」のある大人になってください。期待しています!