クローズアップ企業(2020年度版) 株式会社 相和コンサルタント
株式会社 相和コンサルタント
高山高校の環境科学科を卒業しました。現場で手を動かして何かを作る仕事に就きたいと思い、建設会社に就職しました。しかし、働いているうちに、現場より測量の仕事が好きだと気がついてしまって...土木の仕事は、おおまかに「測量・設計・工事」の順番で進むのですが、自分には測量や設計が向いていると思い、弊社に転職しました。
土木コンサルタントの仕事は、測量・調査・図面作成の仕事になります。皆さんに馴染みがありそうなのは、道路の脇に座って車の台数を数えている交通量調査だと思います。交通量調査は車の交通量を調べて、新しい道を作る際の参考にしたり、信号機の時間を変えたりする為のデータをとってます。決して目立つ仕事ではないのですが、街の安全や生活の便利さを影で支える縁の下の力持ち的な仕事です。
近年自然災害が多いのですが、例えば、倒木で電線が破断して停電になった際、山や土地の地権者を事前に調べておけば、迅速に倒木を撤去することが可能です。普段意識しないことですが、日本中全ての土地が誰かの持ち物です。倒れた木も、流れ出した土砂にも持ち主がいて、許可なく動かすことは出来ません。なので、我々の行う測量や調査が必要になります。陽の当らない仕事ですが、災害時現場に入るのも我々が最初になることが多いです。地滑りした箇所を測量し、どこから土を持ち込むか、一時的に資材をどこに置くのか、どのように道をつけて工事を進めるのか、そういった全体の設計図を作るのが我々の仕事です。
問題や事業が発生した際に必要となるデータを先んじて作る仕事ですので、どのような地形であっても、正確に測量をすることが求められます。我々がそこを間違うと、実際の現場で工期が延びたり、復旧が遅れたりしてしまいます。例えば、こんなことはない方がいいことですが...土砂崩れや津波などで元々あった地形がガラッと変わってしまったとしても、測量と調査をきちんと行なっていれば、土地の境界線や、元の地形がわかるので、元に戻すことも可能なのです。だから正確な測量、設計を心がけています。
我々の業界も進化していて、最近ではドローンを使って3次元で測量を行ったりもします。これによって、作業時間がかなり短縮出来るようになって、自分が仕事を始めた頃と比べると、仕事がとても効率的になりました。土木の仕事は身体を使ってきついイメージがあると思いますが、様々な面で技術も進歩しているので、働きやすくなってきています。作業が効率化することで時間に余裕が生まれ、休憩をしっかり取ることができます。もちろんやることはきっちりやるのが基本なので、息抜きというか働き方改革みたいなもんですかね。
正直、責任が重い仕事なので、やめたいと思うことも何度もありました。でも、その度に周囲の支えもあって何とか乗り越えて、新しい発見や学びがありました。どうしても目の前の仕事にばかり目がいってしまいますが、自分の仕事がどのように社会の役に立っているのかが見えるようになると、徐々にやり甲斐が出てくるものだと思います。続けていれば、自分が引っ張る側に回る日が必ずきます。