クローズアップ企業(2021年度版) 神東会(たんぽぽ苑)
今の職についたキッカケ
小学生の頃から寝たきりの祖母と一緒に過ごしており、その時から母親やヘルパーの方が介助する姿、ショートステイやデイサービスの利用時にたんぽぽ苑の職員の方の姿を見ていました。ある日、祖母に声をかけると普段は無表情なことが多かったにも関わらず笑顔を見ることができたんです。それからは声をかけるとよく笑顔を見せてくれるようになり、そんな祖母の変化と笑顔を見て介護職員として働きたいと思いました。
お仕事の内容は?
直接介護である入浴、排泄(トイレ誘導、おむつ交換)、ベッドや車椅子への移乗など、日常生活に必要な援助を行っています。入所者の方の一日の様子をパソコンに入力するような事務的な仕事もあります。
あとはレクリエーションやお話をすることもとても大切な仕事の一つなのですが、ただ業務として仕事をしている感覚ではなく、入所している方が生活の楽しみを見つけられるようにサポートをしている、という気持ちが大きいです。
印象深いエピソード
たんぽぽ苑のような施設では、認知症が進んでいる入所者さんもいらっしゃいます。自分のことを覚えてもらえないことは普通なことなのですが、それでも認知症のある入所者さんに名前を覚えてもらったり「あんた来てくれたの! 嬉しいな〜」と言っていただけることがあり、そんな時はとても嬉しいです。また僕の子供の話をすると、自分の孫のように思って可愛がってくれるんです。些細なこと一つ一つでこんなにもたくさんの笑顔と幸せがもらえる仕事なんだと、日々感じています。
大切にしていること
〝みんなが普通に送っている生活〟を入所者の方にも送っていただけるように、そして〝普段の暮らし〟を幸せに送っていただけるように心がけています。そして、ここに入所したからこそできることを体験してもらったり、最後までここで過ごせてよかったと思ってもらうためにはどうしたらいいか、ということを常に考えて、直接的な介護もレクリエーションも、小さな会話一つにしても大切にしています。
息抜きの方法
体を動かしたり、美味しいものを食べたり、漫画を読んだり、近くの小さな山に散歩に出かけることもいい息抜きになります。
あとは子供と遊ぶことは何よりの癒しで、ただただ笑顔になれます! 最近できることが多くなってきてとても嬉しいです!
学生へのメッセージ
介護の仕事に抵抗がある方も少なくないかもしれません。確かに大変なことはたくさんありますが、その何倍もこの仕事を通して自分たちが幸せにしてもらっている、という感覚が本当に大きいです。色んな人が働いていますが、優しい人でなくてもいいんです。人らしい人が向いていると思います。ずっと強く生きてきた人ではなく、ちょっとでも何かに躓いたり、くじけたことがある人は、この仕事を通してたくさんの発見があると思います。
少しでもいいなと思う部分があったら向いていると思うので、外からのイメージだけで選択肢を狭くせず興味を持ってくれたら嬉しいです。