クローズアップ企業(2022年度版) 株式会社 神岡衛生社

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KAMIOKA EISEISHA

株式会社 神岡衛生社

今の職に就いたキッカケ

 神岡出身で、子供の頃は大工さんに憧れていました。手を動かしてものを作る仕事に興味を持ったことをきっかけに、より大きな環境を作る土木の仕事に興味を持つようになりました。大学では環境社会基盤工学を学びました。
 「環境社会基盤工学」は、持続可能な発展に向けて、地域と地球の環境保全、社会基盤の整備、循環型社会の構築に貢献する学問です。関わる仕事の範囲は広く、土木・資源リサイクル・水質の仕事があります。
 卒業後、一度は他県で土木関連の仕事に就いたのですが、仕事が体にあわないことが分かったので、大学時代に学んだ水質に関する知識を役立てることのできる仕事を探して、地元で働ける現職に就きました。

お仕事の内容は?

 蛇口をひねればいつでも普通に出てくる飲料水は、上水道を通って運ばれてきます。家庭から排水される汚れた水は、下水管を通って浄化センターへ運ばれ、処理をされて河川に放流されます。
 そのように運ばれる水が、人体や自然環境に影響がないかを調査・分析する仕事です。目立つ仕事ではありませんが、見えないところで、生活を支えている大切な仕事です。

印象深いエピソード

 内定をいただいた際に、「大学で環境工学を学んできた君には、会社を引っ張る存在になってもらいたいと思っている」と、言っていただきました。管理職になるには、国家資格の環境計量士の資格が必要になります。合格率15%の難関ですが、大学で学んだ知識が生かされることもあり、期待に応えられるように仕事の傍ら勉学に励んでいます。

大切にしていること

 測定の仕事は、同じサンプルでも、どこでいつ採取をするのかで、結果に大きなズレが出てしまう繊細な仕事です。検査結果が出るまでに数日かかる作業も多く、一度のミスがさまざまな方の仕事に影響を与えてしまいます。仕事は、失敗して学ばないと覚えられませんが、落ち込んでいる間も時間は流れていくので、改善策を考えるようにしています。
 水質分析の仕事は地味ですが、数字の向こうに背景や問題が潜んでいます。水を調べると社会が見えてくるんです。

息抜きの方法

 同級生とボードゲームで遊んで過ごしています。特に『カタン』が好きです。サイコロを振って資源を集めて、領土を増やしていく単純なゲームなんですが、大学時代にハマって、いまだに飽きずに遊んでます。ゲームはルールを理解すれば言語の壁を超えて世界中の人とプレイが出来るのが魅力ですね。オンラインでプレイしたりもしています。

学生へのメッセージ

 論文を書く際に、参考資料は必ず複数選び、内容を確認する事が大切だと学びました。学生のうちは、なぜ勉強をするか分からないものですが、勉強をする一番の理由は、社会に出た際に悪い大人にだまされないためだと思っています。
 テレビやインターネットの情報は本当なのか? 間違った情報に振り回されないためには、本を読んだり、信頼できる人の話を聞いたり、自分で考えて行動することが必要です。
 情報を鵜呑みにせず、関心を持ったことをとことん学んでください! その経験が、将来どこかで必ず役に立ちます。