クローズアップ企業(2022年度版) 坂本土木株式会社
今の職に就いたキッカケ
家業の跡取りとして、父や祖父が仕事をする背中を見て育ちました。子供の頃から土木が身近な仕事で、自然と今の進路を選びました。高校から土木を学び、大学では、より見識を広げるために「都市土木」を専攻しました。大学で学んだのは、都市を0から作っていくような非常に大きな学問で、同級生の多くが大手のゼネコンや省庁に就職をするような環境だったので、地元に戻ってきた当初は、現場との感覚のズレに非常に戸惑いました。戻ってきて3年たちますが、日々勉強の毎日です。
お仕事の内容は?
現場監督として、測量・図面作成・工程管理全般を任されています。作業全体の流れを考えて、現場で確認しながら細かな調整をおこないます。
土木の仕事は、自然相手の仕事です。どれだけ入念に下調べを行っても、現場は予定通りに進みません。不確定な要素が発見されたり、資材が足りなくなったり、追加で重機の手配が必要になったりします。円滑に滞りなく安全に定められた工期内に作業を終えられるように、管理をする責任ある仕事です。
印象深いエピソード
子供の頃から、親の仕事を見ていましたが、実際自分が仕事に就いてみると、道路を走っている時に見える擁壁ひとつを見ても、作業の大変さや現場の努力の痕跡に目がいくようになりました。
また、仕事に就いた前年度に、大きな土砂災害が発生して、復旧工事に入ったのですが、不慣れながらも迅速に工期を進めることができて、市民の方から感謝されたことが、自信につながりました。
現場が、思い描いた通りうまく進んでくれると安心しますし、狙い通りに工程が進むと誇らしい気持ちになります。
大切にしていること
現場での経験が浅いので、上司の姿から多くを学ばせていただいています。一番の学びは、現場作業員の声を聞くことの大切さでした。
図面をみて現場から「これじゃできない」と指摘されることもあります。決められた工期内に現場を完了することが求められますので、段取りの良し悪しは、現場作業員の命に関わります。そのためある程度先を読んで資材や重機を用意しておく必要があります。その際に、現場での経験則がものを言うんです。
息抜きの方法
なかなか外へは出られないので、家でお酒をのんだり、友達と遊んだり、身近なところで息抜きをしています。身体を動かすと、いいリフレッシュになるので、中学の頃から続けているソフトミニバレーに参加して汗を流しています。
大学時代の同級生はゼネコンや公務員に就いた人が多くて、なかなか会えませんが、地元の同級生とは気軽にくだらない話が出来ます。東京に残っていたら、こんな風には過ごせなかったかもしれないので、地元はいいなと感じます。
学生へのメッセージ
家業を継ぐことが決まっていたので、僕自身は、進路に関して悩むことは、あまりありませんでしたが、人によっては、やりたくないことを、将来的にやらないといけない人もいると思います。
そう考えると、学生時代は、自分のやりたいことを遠慮なく楽しめる最後の時間になります。僕も学生時代に本気で遊んで、やりたいことを思いっきりやれたので、腹を決めて家業に戻れました。
進路について納得出来ないまま、なあなあで過ごしていると、必ずきつい時が来ます。皆さんも今やりたいことを思いっきりやってください!