クローズアップ企業(2024年度版) 株式会社 八ツ三館
INTERVIEW 03
株式会社 八ツ三館
Yatsusankan
後輩ヒーロー
北平さん
入社2年目
高校卒業後に入社
仲居として勤務
先輩ヒーロー
井ノ口さん
観光サービス業、
2年の旅館での修行を経て入社
仲居として勤務
◇お仕事の内容を教えてください。
北平 客室のチェックをし、お客様をお出迎えします。お客様を客室へご案内して、夕食の配膳をします。またお客様の情報の打ち込みなども行っています。現在入社2年目ですが、新人の頃は2年目の先輩が専属で仕事を教えてくれました。そのあとは仲居頭の方に教えてもらったり、先輩方を見ながら仕事を覚えていく、そんな感じでした。
◇今のお仕事に就いたきっかけは?
北平
日本文化に興味を持ったことが大きなきっかけです。小学生の時にスポーツ少年団で柔道を習っていました。柔道では礼儀を重んじる為、様々な学びがありました。また高校生になって茶道部に入り、日本文化における礼儀や所作について学び、興味を持ちました。
旅館は日本ならではの宿泊施設です。日本の「おもてなし」は世界でも指示されていますよね。周りに同じ志の友達はいませんでしたが、高校を卒業してから思い切ってこの世界に飛び込みました。
◇あなたの個性は?
北平 私は一度決めたら、やり遂げる!あきらめないところが個性です。小学生の時の柔道、高校での茶道部など、辞めたくなる時もありましたが、一度やると決めたことなので、最後までやりたい!という気持ちがありました。負けず嫌いなところがあるのかもしれません。
◇先輩EYE'S
井ノ口 第一印象はしっかりしている感じ。見た目もそうですが、物腰も柔らかくておくゆかしいイメージでした。こんな子に接客してもらったら癒されるだろうなって。でも、最近は、言われたことを素直にすぐに実践する姿が見られて、芯のある子だなと感じます。この子は伸びる!そう思っています。海外のお客様にも頑張って接客する姿は頼もしく、かわいい後輩です!
◇わたしの成長HISTORY
北平
エピソード①...旅館=厳しい世界というイメージはあると思います。私自身もそうでしたし、実際に最初は覚えることが沢山ありました。
高校を卒業してすぐにこちらに就職したので、言葉使いひとつからの勉強でした。お客様の年齢層もバラバラですし、最初は何を話せばよいかもわからない状態でした。お料理もただ出すことしか出来ず、会話がなかなか出来ませんでした。そんなとき、先輩から「こういう話をしてみたら?」とアドバイスをいただき実践してみました。そういうことを何度も繰り返すうちに「また来たい」「あなたが担当で良かった」という言葉をいただけるようになり、とても嬉しかったです。
北平
エピソード②...実は、勉強に苦手意識があり、英語も苦手でした。しかし、入社してから海外のお客様の多さに驚き、今後も海外のお客様は増えていくと思い勉強を始めました。携帯アプリを使ったり、英語のできるスタッフに言い回しを教えてもらったりしながら、接客をしています。勉強していくうちに、負けず嫌いな性格のせいか、話せるようになりたいという気持ちが強くなり、最初の「苦手...」という気持ちから、今は「勉強したい!」という気持ちに変化しています。
◇お仕事の内容を教えてください。
井ノ口 朝出社したら着物に着替えます。そして、お客様が使用するおしぼりの準備。その後、予定表に従って各自の持ち場で夕食やドリンク補充など様々な準備を行います。それから朝礼です。女将さんやフロントのスタッフ、板さんとお客様の情報を共有します。次にお部屋の最終点検をします。お手洗いや備品、ゴミなどを点検します。よくご利用いただくお客様では浴衣のサイズがお客様に合っているかチェックします。お部屋のお花も私たちが自分たちで生けているんですよ。いよいよお客様がチェックインされます。お出迎えをして、お抹茶と茶菓子をお出しします。夕食の際にはお電話でご連絡し、食事のお部屋にご案内します。料理の説明や飲み物を聞いてお出しします。翌日の朝食のセットの準備や片付けをし、スマホやタブレットでの情報の打ち込み。これが1日の流れです。
◇今のお仕事に就いたきっかけは?
井ノ口 原点は、学校卒業後に観光サービス業に就き、サービス業のやりがいを知ったことです。「人を喜ばせること」が楽しいと感じました。現在の旅館へ就職するきっかけは、旅行先の旅館での仲居さんの存在が大きくあります。ご年配でしたが、着物をビシッと着て、てきぱきと動かれる方でした。その方の一生懸命なおもてなしにとても感動しました。帰る時も大きく手を振ってくれて、こんな仕事があるんだ!と感じたことを今でも覚えています。着物姿の佇まいも美しく、日本のユニフォーム!という感じがとてもかっこよく感じました。
◇あなたの個性は?
井ノ口
わたしは短所だらけな気がしますが...(笑)
両親が共働きだった為、小学校3年生から夕食を作っていました。家事や料理を厳しく叩き込まれ任されていたので、掃除や料理、段取りは任せて!という感じです。これが今の仕事にとても生きていると、今になって思います。
また、海外からのお客様が増えた10年ほど前から英語の勉強をしています。「笑顔で、伝わる英語」を目指して楽しく勉強しています。
◇後輩EYE'S
北平 先輩は、常に先のことを見ているなと思います。段取り力がすごいので1分1秒を無駄にしていない。だけれど、常にお客さんのことを考え、小さいことも見逃さないのです。例えば、足の悪い人には高座椅子を持って行ったりと、学ぶことが多いです。そして、とにかく話し上手です。引き出しを沢山持っていて、お客様も楽しそうですし、私も先輩と話しているととても楽しいんです。
◇先輩ヒーローからのメッセージ
井ノ口
1日の仕事時間って、とっても長いですよね。仕事をすることって「報酬を得る」ことだけれど、私は、それだけじゃもったいないと思っています。せっかく働いているんだから達成感を感じたい、それが自分にプラスになる!と。
毎日違う国、地域の方に接客します。様々な人種、背景の方がいらっしゃいます。ご家族を亡くされた方を接客したこともありました。なんでもインターネットで出来る時代ですが、「おもてなし」だけはインターネットではできません。人とのふれあいがどれだけあたたかな気持ちをもたらすか、そういった喜びがあるんだということを若い方に伝えていきたいと思っています。