2020.10.15

飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「クロモジ」【広報ひだ2020年10月号掲載】

今年の夏はとても厳しい暑さでしたね。

暑い日が続くと日焼けや、汗のかき過ぎで肌が荒れたりします。冬の乾燥時期を前に早めにメンテナンスをしておきたいところです。

飛騨の薬草と言えば体感できるクズがとても人気ですが、薬草のイベントなどでは実はクロモジがとても高い人気を誇っています。クロモジは広葉樹。薬木ですね。

クロモジは、一般的に樹皮が緑地に黒斑点のような濃い色をしており特徴的なので一度見つけるとすぐ覚えることができます。

クロモジが人気の理由の一つとして、枝をポキッと折るとレモンのようなとても良い香りがするということがあります。これはリモネンなどの成分の関係です。薬草といえば漢方薬のような匂い、木ならば一般的な木の香りをイメージしますが、誰しも清涼感を感じる柑橘系の香りがとても意外なのでしょう。

クロモジに期待できる効能として湿疹、皮膚の炎症、皮膚病、皮膚掻痒症、肝臓病、胃腸炎、関節症があります。主に皮膚のトラブルに効果があり、どちらかというと枝を風呂に入れるような外用がおすすめですが、飛騨市ではお茶として飲む方が人気です。

小枝を手に入れてきて煮出すと綺麗なピンク色で柑橘のような、スパイスのような爽やかな香りのお茶ができます。この薬草=茶色というイメージを変える色合いの意外性も人気の一つなのかもしれません。小枝を採取する際は、細い枝ではなく少し太めの枝を使うと色も香りも良くなるでしょう。

クロモジのアロマオイルも市販されていますが大変高価のようです。そんな貴重なクロモジをとても身近に感じることができるのは森が近く、広葉樹が多い飛騨市の良いところですね。ぜひ野山に出かけてみましょう。

村上光太郎「薬草を食べる」より

※ひだ森のめぐみでは、薬草の乾燥・粉末加工サービスを始めました。これを機会にぜひご利用ください。

薬草加工サービスWebページをご覧ください

【お問い合わせ先】ひだ森のめぐみ 電話:0577-73-3400

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