2020.04.01
飛騨市が発行する広報ひだでは、毎月薬草情報を掲載しています。
今回は、広報ひだ2019年5月号に掲載した「スギナ」を紹介します。
各地の春の例祭も終わり、本格的な新緑、そして梅雨へと移り行きますね。あちこちに顔を出していた茶色のツクシがいつの間にか緑のスギナに変わっています。まるで別の植物のようですが、実は同じ植物なのです。スギナもドクダミやオオバコと同様に、あちこちでよく見かけ、その強い生命力から厄介な雑草の代表ですが、その効果は実は素晴らしいものがあります。
スギナは茎葉の部分を採取します。水洗いして乾燥し、煎じてお茶にするか、粉末状にすると活用がしやすいでしょう。
スギナは利尿作用があり、腎炎、膀胱炎、肋膜炎に効果があります。消炎作用もあるので、濃く煮出した煎液は漆かぶれなどに効果があります。また、マグネシウム、カルシウム、リン、カリウムなどが非常に多いのにナトリウムが少ないので、体内からナトリウムの排出をして細胞の代謝を活発にします。
スギナには面白い効果があります。一緒に飲む医薬品の効果がよくなるのです。今まで効きが悪いなと感じていたものがよく効くようになるということです。長く飲み続けて薬が効く体に改善するのもいいでしょう。通常、植物は自分が生えている土壌の栄養分を多く含むものですが、スギナはカルシウムが少ない土壌を好んで生えるのに、カルシウムを豊富に含んでいます。これもスギナの不思議、植物の不思議で面白いところです。
薬草を採るために頭を使って色々と考え、そして野山を歩き、採ったら積極的に体に取り入れる。
薬草に関わること、そのものが健康への近道です。ぜひ実践してみましょう。(村上光太郎「薬草を食べる」より)