2021.04.19 ASAGIRI

朝霧フィールド季 vol.4 2020秋『カツラの香る森』

例年にない長い梅雨がようやく明けた朝霧の森では、少々小柄な「姥百合(ウバユリ)」のまるでゆり籠のような器に入った種子が、風に吹かれて「シャラシャラ」と音を奏でています。

朝霧の森は南と北のルートで植生が違いますが、南ルートは何と言っても「カツラの甘い香り」が森全体を包み込み、色鮮やかな黄葉と香りに心が満たされます。カツラの葉は秋には黄色く色付き、丸っこいハートの形が特徴で人気があります。材は加工性が良く将棋盤や家具などにも利用されます。

また北ルートでは朴ノ木(ホオノキ)の大きな葉が落葉し、林道に陽射しが入ることで、金色に輝く遊歩道が山の頂まで続いています。朴ノ木の樹皮を乾燥したものは生薬「厚朴(こうぼく)」と呼ばれ、漢方では整腸、健胃、去痰などを目的に処方されています。

森では時に、狐やカモシカに出会うこともあります。薬草がとても豊富な朝霧の森ですが黄葉した山の風景、カツラの芳香、秋の音色や動物たちとの出会いも魅力的な秋の森です。

薬草プロジェクト 白川・仲島

キツネ・ウバユリの種
キツネ・ウバユリの種

カツラ の黄葉
カツラ の黄葉

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