2020.05.15
タンポポの黄色い花は、春の風景をイメージできる植物ですが、ヨーロッパでは品種改良をしてサラダやお茶にしており、身近な食材となっています。
タンポポは様々な種類がありますが、いずれも薬用、食用として使用できます。
タンポポは道路の舗装を割り出て伸びるなど、しぶとい雑草のイメージがありますが、その生命力を象徴するようにカリウム、マグネシウム、鉄分など多量のミネラルを含んでいます。カリウムは体内のナトリウムを放出させて血中電解質バランスを整え、健康な代謝をおこさせるので、ヨーロッパでは根の青汁を糖尿病や肝臓病の改善薬として利用しています。マグネシウムはイライラ防止として、鉄分は造血効果が高く、貧血防止になるとしてそれぞれサプリになるなど有名です。
またビタミンも各種豊富に含まれるので、春先の大きな気温差で弱りがちな体を元気にしてくれます。
薬草としての効果も様々です。開花期の全草を乾燥して作ったお茶は精神安定効果があります。葉を搾った青汁には抗菌効果、葉や根は昔から肝臓や胆のう、関節の病気に利用されています。この他に血液浄化作用、肝臓の病気の治療、母乳分泌促進、強壮、健胃などがあり、タンポポは女性の味方です。
蕾を持つ前までは葉の苦みも少なく利用しやすく、日が当たるところ、土地が肥えているところでは根も葉も大きく育ったタンポポを見つけることができます。
生葉をサラダに入れると少し歯ごたえがあって、ほんのりとした苦さが美味しいです。
また、根は小さく刻んで乾燥し、少し煎ってタンポポコーヒーにすると消化不良や母乳不足などに効果があります。
積極的に野山に出て、冬の間に消費したミネラルを補うため、薬草を活用しましょう。
村上光太郎「薬草を食べる」より