母ちゃんが畜産農家を営んでいて、いつも汗水流して家族の為に一生懸命働いてくれている背中を見て育ちました。その背中がめちゃくちゃかっこよくて、大人になったら仕事を継ぎたいと思っていました。 高校を出て農業大学校に進学をして、卒業後は兵庫で修行させてもらいました。畜産の仕事は、ほとんどが分業制になっているんですけど、修行先は、繁殖から肥育までをこなす一貫経営の大きな農場で、牛を800頭以上飼育していました。そこで朝から晩まで働いて、色々な技術を学ばせてもらいました。両親が身体を壊したのをキッカケに地元に戻ってきて、これまで学んだことを生かす為に、母の牛舎の隣に新しい牛舎を建てて新規就農をしました。 生き物が相手なので、楽な仕事じゃないですが、やったらやっただけ結果が出る、やり甲斐のある仕事だと思います。
牛を飼う仕事は匂いや鳴き声の問題があるので、どうしても近所に迷惑をかけてしまうんですよ。だから、周囲の理解がないと安心して仕事を続けることが難しいんです。その点で、この地域は就農者が多いので、周囲の理解があって、すごく仕事がやりやすいです。みんな気にしてくれて、いつも「サボんなよ!」と声をかけてくれます(笑)ここでは、貸してもらえる土地がたくさんあって、そこで飼料を育てることができます。餌のコストを下げることで持続的な経営が出来ますし、牛に食べさせた餌っ て、肉になって最後には人間が口にするものになるんですよね。だから、出来るだけ身体に良いものを食べさせて育ててやりたいんです。
1から畜産農家の仕事を始めるという事は、簡単なことじゃないですけど、でかいものを背負って、胸を張って一流の仕事して、それを食べた人に「美味い!」って 喜んで貰える仕事なんて、他になかなか無いと思います。生き物相手の仕事は、1日として同じ日はないですし、牛にもみんな個性があって、自分の頭を使ってぶつかっていくような仕事で、とにかくやりがいのある仕事なんです。当たり前のことかもしれないけど、やる気さえあればなんでも出来ます。やったらやっただけ自分の身になるのがこの仕事の面白さだと思います。美味い肉をたくさん食べて、勉強して、牛と真正面から向き合う気合いで頑張ってください!
