寒暖差のある河合町の気候はトマト作りにぴったり。
ここで夏は農業を営み、雪深い冬は伝統産業の担い手として
紙漉き業をスタートさせる長尾さんに会いに行った。
「会社勤めより自分で出来ることをしたい」という思いがありました。
親が少し畑をやっていたので農業には子供の頃から興味があり
進学した農業大学校の研修で訪れたのが飛騨市河合町。
気候や人の縁に惹かれ、この場所での就農を決めました。
トマト作りは短い夏に一気に働くことになるので、
冬の生業として河合町の伝統産業「山中和紙」の師匠に師事しました。
雪晒しで自然漂白する山中和紙は、雪国だからこそ続いてきた産業。
修行も明けてこの冬からは、いよいよ紙漉き業を始めます。
楮やとろろ葵など、和紙の原料も少しづつ植えているので
今後は原料から和紙作りができるよう環境を整えていきます。
一人で移住し始めた農業ですが、地元の人と結婚し子供たちも生まれて
家族と過ごす時間の多いこの暮らしを気に入っています。
自然相手なのでもちろん難しい部分もありますが
長い冬が終わっていよいよトマトの苗を植える時期になると
毎年ワクワクしてきて、一番のやりがいを感じます。