標高1,000m「天空の集落」とも呼ばれる山之村地区。
冬が長く寒さが厳しいこの土地だからこそ
作物は美味しく育ち、人々のつながりは優しいのだ。
高地にある小さな集落・山之村地区で生まれ育ちましたが
正直若い頃は田舎で暮らすよりも、外に出てみたいと思っていました。
転機は、地元を出て働いていた頃に今の妻と出会ったこと。
似たような環境で育った彼女が楽しそうに故郷の話をするのを聞くうち
いつか山之村に帰りたいという気持ちが芽生えました。
結婚して二人で畑を借りてやってみたり、他の農家で経験を積んだ後
Uターンして実家のほうれん草農家を継ぎました。
久しぶりの地元では友人たちが笑顔で迎えてくれました。
奥さんを連れて帰り子供も産まれて、親も賑やかになって喜んでいます。
寒い地域なので冬が早く訪れ、雪解けも遅いですが、
ほうれん草は涼しいところの方がよく育つので
短い期間にたくさん収穫し、集中して出荷しています。
雪が積もる頃になると始まるのが、近所で協力しての「寒干し大根」作り。
寒暖差によって甘みや旨みが凝縮される美味しい特産品です。
生活スタイルを自分で作ることができるのが農業のいいところ。
新規就農支援の受け皿がしっかり出来ている飛騨市では
周りの先輩や市の職員さんなど、みんなが親身になってくれます。
相談できる人を作って、自分の環境を作っていって欲しいです。